2008年6月29日日曜日

貧乏本屋でも心は豊か




もう40年以上前になるだろうか。
私は2ヶ月に1回位のペースで丸の内ビルへ通った。
私の店のお得意さんが何社かあったので。
ここは東京の玄関口。このビルの中の会社はみんな、優秀なんだと若い私は信じていた。
ある雨の日、天井からポタポタと水が落ちてきた。
何だこのビル、もう古いんだなと思った。



その後にある日本郵船にも通った。
これがまた素晴らしいビル。
今はガラスの城みたいなビルになったけど当時のビルは明治時代に三菱財閥が金にあかして建てた西洋建築だった。
今は明治村で余生を送っていると思う。
その直前に私は郵船ビルを訪れた事を未だに誇りに思っている。
とても非合理的な造り。そして窓が小さくほの暗く感じる。
階段は曲がりくねって登りにくい。
なのに、なぜか心が落ち着く。
私が大好きだったふかふかの絨毯の廊下に体が沈みそうになりながら歩くのがとても嬉しかった。

さて、先日所用で新しい丸ビルを訪れるチャンスがあった。
40年振りの丸ビルを見学しようと早めの時間に到着してあちこちまわってみた。
驚いた、仰天した。
今思い出してもあれは夢だったのかしらと思う程ビックリした。
これが40年前私が愛した、天井から水がポタポタ落ちていたその場所に建った新しいビルなんだと思っても不思議な気持ちだった。
丸ビルはオフィスビルではない。
ショッピングビルだった。
横浜からやってきたオノボリさんの目にはあまりの壮観さに立ち止まってしまった。
目を見張った。
これでは横浜松坂屋が本年10月閉店もむべなるかな。
まさしく時代は大きく転換した。





明治時代の政治家も大物ぞろい歴史に名を残す人も多かったが経済人も又しかり。
三菱の岩崎弥太郎について言えば芸者遊びも桁違い。
大広間に100円紙幣(今なら10万円札かな?)をパーンと部屋いっぱいに撒き散らし芸者に云った。
「さぁ、好きなだけ拾ってくれ。ただし手で拾うのは駄目だ、股ではさんで拾うんだ。」
和服姿の芸者がどんな格好をしたのか私は知らないけれどこんな事のできる財界人は日本中探しても今は居ない。
ヒルズ族とか○○族とか金持ちらしき人物は出てくるけれど何かに引っかかって消えてゆく。
かと思えば政治家を利用して私服を肥やす術は知っているけど本当の意味の生き金の使い方を知っている金持ちには未だ出会わない。

だが私は零細書店の経営者。 大口たたける身ではないけれど政治家も経済人もあまりにもスケールが小さすぎる。 これでは日本の将来が思いやられます。
私はこんな事書くつもりはありませんでした。
本屋も立派な書店が東京を中心にたくさんあります。
しかし所詮本屋なんてどんなに大きくても日本でナンバーワンの書店でも儲かってないのが現実です。
儲からないように出来ているのが書店業界です。
出版社の事はよく分かりませんが本屋はほとんど年中貧乏です。
次の支払いは大丈夫か?そんな事を1年365日考えている経営者が大部分ではないかと思っています。
でも皆本屋をやっている。(近頃息切れをしてお手上げする店も増えてきたけれど)
なぜ本屋を続けられるの?こんな忙しいばかりの儲からない商売を。 自問自答する事もございます。、まことに本屋は金儲けをしたい人には全く不向きな商売だけどそれさえ外せばこんなに素敵なビジネスはないと私は考えております。
だって毎日最新の本を手に出来る。好きな本を抱きかかえられる。
好きな作家の本の一頁をひらくと著者の声が聞こえてくる。
何度でも何回でも。
テレビではあっと思った瞬間次の画面に移ってしまうけど本は読みかえせる。 好きな言葉が出てきたらため息をだす暇がある。 幸福感にどっぷり浸れる。 しかも好きな本には私なりの(大変下手な)コピーをつけて読者に呼びかけられる。 それに目を止めて買ってくれた時の喜びは表現のしようもない程の嬉しさである。
私と同じ思いの人がいた・・・・・・・と思う喜び。
これは本屋でなければ味わえません。
すごい醍醐味です。





ベストセラーにならなくてもよい。たった一冊でもよいから私が売れて欲しい、読んでもらいたいと思う本がレジを通過して見知らぬ読者の手に渡る時私は「神様ありがとう」 「生きてて良かった」 「本屋であって良かった」と心の底から喜びと感謝の念がわいてまいります。
こんな時はお客様に最敬礼をしてしまいます。
「ありがとうございました、またいらして下さいね」
思わず口から言葉がでてまいります。
本離れという言葉がよく使われますが人間は絶対に本から離れることはできません。
忙しくて本にまで手も金も届かないのです。
ネットもよし、携帯も便利すぎるほど良し(やっと携帯が自由自在に使えるようになったので分かります)でも、一寸待って!携帯の扉を開く前にバックの中の文庫本の一頁開いてみて・・・・・・・。 そこには携帯では得られないワードがあります。






センテンスが発見されます。未知の世界が拡がっています。
彼や彼女と繰り返し使う言葉ではない新鮮な世界を発見する事が出来ますよ。
時代がこんなに進化している時に人間も時代を追い越してゆくような進歩が必要です。
何かを至急調べたい、それはネットですね。
実に早く簡潔に教えてくれます。
でも何かをじっくり思考したい時、それには絶対Booksそして私は申し上げます、好きな作家(書き手)のものばかり読むのも一手だけど嫌いな書き手のものも読んでみて下さい。
特に経済書は種類を多く読まないとどんな落とし穴に落ち込む事があるかも分かりませんよ。
そして時々アレ?と新しい発見も出来ます。 ベストセラーが必ず貴方にとって良書とは限りません。
A君に必要な本、B子ちゃんに読んでもらいたい本みんな夫々いろいろあって当然ですよね。
手近な本屋を利用して本に触ってやってください。本は触ってくれるのを待っています。
その店にない本はすぐ注文する事です。
待っている間は待ち遠しいけれどそれも又楽しみです。

私は無力な町の本屋ですが本が私の戦力だと思って毎日、毎日戦いの中で生きております。
どうか皆さん先ず一冊から本をバックに忍ばせておきましょう。
待ち合わせの時とか、長く待たされた時でも時間が経つのが早いですよ。

本を開いて読んでいれば・・・・・・・。









貧乏書店の呟きから。






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〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
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2008年6月21日土曜日

週刊東洋経済6/21を買って読んで下さい



2008年6月21日増大号(2008年6月16日発売
特別定価620円(税込)
東洋経済新聞社

最強の「読書術」
どう探し 読んで 活かすか
SUMMARY
1カ月200冊をこなす速読・多読から、人間力を鍛える熟読・精読まで、達人たちの秘技を一挙公開!


戦前の小学校には校内の入り口に薪を背負って本を読んでいる二宮金次郎の銅像がよくありました。
私も少し知っております。
その絵がこの号の表紙に出ております。
仕事しながら、歩きながらも本を読む。
すごい読書家ですよね。
今でも電車の中で本を読んでいる人を見かけますがそれも同じですね。眠っている人もいるのに。
タイトルは「最強の読書術」どう探し、読んで活かすか!
東洋経済は経済誌ですから採り上げられているのは主として経済本です。
一概に経済本ばかりではなく趣味の本、小説。エッセイetc・・・色々あります。
マンガも攻略本もあります。
読書するという意味においては同じことだと思います。
一流の人達の読書風景です。すごいですよ。

読書を最高の投資に変える。「レバレッジ」読書術 
本田直之
読んだことは自分で試す!メモ不要の「超実践」読書
勝間和代
知の大系を身に付ける「3度読み」のテクニック
佐藤優
財界首脳のブレーンが直伝!「最強」アナログ読書術
三輪祐載
子供の本好きは親の本好きから
人間力を鍛える読書術
斎藤孝
日本語だけでは周回遅れ!英語原著の読書術
池田信夫

貴方の読書法と比べてみてください。
読む本の量も比べてみてはいかがでしょうか。





なぜそんなに読むの?
読書は全くアナログです。そこがすごいところです。
文字を拾いながら読んでゆく過程は頭の中に知識として感動としてピタッとはりついてゆくものです。テレビを見るのとでは全く異なります。
読めば読むほど本が読みたくなる。本が身辺にないと落ち着かない。ある意味本の中毒にかけてしまってください。楽しくなります。
本を読まないと寂しくてたまらなくなります。
そうする事が人間の知的存在を促します。
体を鍛えるのも気力を養うのも本から得られる事の大きさは計り知れないものがあります。
文字というこんな便利なものを体内の栄養にしないのは一生にどれほど損するか分かりません。
私も頑張って読んでゆきます。目下のところ、一ヶ月25冊。
そして、これはすばらしいと思う本を紹介したいと思います。
それが書店の一番大切な仕事だと自覚しております。
さぁ、今日から今すぐに一冊目を手に取ってください、読んでください。
読んだ感想を教えてください。
踏み出しましょう。読書の第一歩を。
本好きの方には笑われそうな文章になりました。悪しからず。






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2008年6月17日火曜日

紙芝居のお知らせ5

紙芝居新刊のお知らせです。
あなたにあった紙芝居をぜひ探してみてください。

ー年齢の見分け方ー

 保育園用(1~3才)
幼稚園用(3~5才)
小学校低学年用(6~8才)
小学校中学年用(8~10才)
小学校高学年用(10~12才)


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

※すべて童心社より













「かるがもキュウちゃん」
わしお としこ 脚本/鈴木 幸枝 絵
定価1,470円 (本体1,400円+税)

・カルガモのおかあさんの卵から、ヒナがかえりました。
9番目のキュウちゃんは,いちばん小さくて
うしろからよちよち、よろよろ。














「たなばたのおはなし 」
北田 伸 脚本/降矢 洋子 絵
定価1,890円 (本体1,800円+税)

・七夕に天の川が大水で困ったおりひめ。そこにかささぎがきて…。













「あーん」
宮崎 二美枝 脚本/山本 祐司 絵
定価1,470円 (本体1,400円+税)

・ハブラシさんがいます。
「はーい、ネコさん、私を呼んだ?」
「いいえ、ネコの歯はいつもきれいよ、ほら、あーん」
では……?














「かえるちゃんのおみまい」
すとう あさえ 脚本/久住 卓也 絵
定価1,890円 (本体1,800円+税)

・おばあちゃんがケガをした!?
かえるるちゃんは家をとびだしました!














「ぼくのタガメ」
杉浦 宏 原案/やべ みつのり 脚本・画
定価1,680円 (本体1,600円+税)

・ぼくは、お兄ちゃんと近所の水族館へ行った。
そこには、水の中の昆虫の王様タガメがいた。
次の日、ぼくが一人でタガメを見に行くと……














「でてきたなあーんだ?」
やべ みつのり 作
定価1,680円 (本体1,600円+税)

・さあ、何が出てくるのかな?
第1場面の穴をそのままに、2場面をぬくと
あれあれ、信号機だ。














「ロボット、ロボののぼりぼう」
古田 足日 脚本/田畑 精一 絵
定価1,680円 (本体1,600円+税)

・運動のきらいなロボは体の中がさびてきて
リンゴ班はのぼり棒競争に負けてしまいます。
友達が、いやがるロボを練習させると……。















「おつきさんにばけたいの」
新美 南吉 原作/三谷 亮子 脚本/長野 ヒデ子 画
定価1,680円 (本体1,600円+税)

・お寺のうらにすんでいるタヌキのおかあさんは、
坊やに化け方を教えます。
おかあさんはお坊さんに化けて見せ、
坊やは小僧さんに…














「ちゅるちゅるベタベタ」
得田 之久 脚本/和歌山 静子 絵
定価1,470円 (本体1,400円+税)

・スパゲッティをちゅるちゅるたべたら
お口のまわりはべったべた…。














「すずちゃんのぼうし」
福田 岩緒 脚本・絵
定価1,890円 (本体1,800円+税)

・すずちゃんは、ぬいぐるみのムクをつれて
さんぽにでかけました。



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これからも定期的に紙芝居新刊を紹介していきたいと思います。
御注文・質問がありましたらメールフォームに
お問い合わせ下さい→<メールフォーム>


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