2010年11月27日土曜日

海の男に愛された本屋さん

皆様は一カ月に何冊位本を読まれますか。
私は商売ですからさておくとして私の店のお客様(外国航路の船に乗船されている方)を私の店では船の方と呼ばせて頂いておりますが、このお客様は毎航毎航(一か月~三ヵ月間位)一船につき、何十冊という本を買ってゆかれます。
ほとんどの方が全部、目を通しているようです。
勿論、雑誌も含まれておりますが。

横浜は戦後30年間位は造船所もあり、埠頭はどんどん広がりアジアのハブ港でした。
入港船も多く船へ本を届けるまでの税関の関係の作業の手間はあるものの、本船の方に直接本を手から手に渡す事が出来ておりました。
しかし、横浜・東京港のコストが他航より高かったので、韓国や台湾・上海・シンガポールなどにハブ港は逃げてしまいました。

私共は致し方なく外地までで発送する方法に切り替えざるを得ませんでした。
この事は単に港の損失だけでなく横浜の街自体に落ちる金がぐんと減った事につながります。
横浜市100周年記念行事にしても、どこか何か失敗して当然というような感じを受けておりました。

それはさておき、商人にとって自分のお客様と直接、お話出来ない程、辛い事はありません。
会う事も声を聞く事も出来なくなってしまいましたので、私は本を発送する時に手紙を入れる事を考えました。
せめてものイセザキ書房の声なき声でも読んでほしくて。
お客様には大変喜んで頂けて幾通ものメールをいただいたり内地へ寄港した時に立ち寄って頂ける事も度々ございます。

こんな話を致しましても私が本船のお客様のお世話になったのは昭和35年(1960年)以来もう半世紀を過ぎました。

50年前の方はもう現役として乗船されている方は居るはずもありません。
しかし、次代へ次代へとつなげて頂き現在は私の店が出来てから生まれた方ばかりだろうと思います。
それでもイセザキ書房を頼りにして頂き、私共の店も本船の意向を最重要視して商品を集め、本以外の物でも頼まれれば、お取次ぎさせていただいております。

こんな店は日本全国に私共一軒だけしかありません。
それをマスコミが、かぎつけて読売新聞に5日間連載されたり、この度は横浜FM放送が全国コンクールに出す素材として使って頂きました。

結果は思いがけず日本放送文化大賞グランプリになりました。

海の男に愛された書店←クリックで記事

放送としての優秀さだったのだと思いますが77才になって尚、このように本船に本を買って頂ける仕事の出来るよろこび、50年間もよく続けられたとイセザキ書房に手を合わせたい。
そしてこの間のイセザキ書房の為に協力を頂いた数えきれない従業員の皆様に心から感謝の念を捧げたく思います。

尚。来年1月1日午後8時からラジオAM放送で全国報送される予定でございますのでイセザキ書房のありのままの姿を聞いてやってほしいと思います。
少々恥ずかしいけれど書かせて頂きました。



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○おすすめ書籍○













「日本語 語感の辞典」
中村 明 著       類を見ない出たばかりのもの

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「ベイビー・アンパンマン バスでおでかけ!」
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「ベイビー・アンパンマンくるまでドライブ」
やなせ たかし 原作
出版社名 フレーベル館
税込価格 1,050円
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遊びながら、お勉強できます







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イセザキ書房
〒231-0055 神奈川県横浜市中区末吉町1-23
TEL: 045-261-3308
FAX: 045-261-3309
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2010年11月20日土曜日

日本地図から世界地図へ

第二次世界大戦のあった為に、それまでヨーロッパ諸国の植民地であった所が全部独立した。
そしてそれらの国々は資源を持っている。
日本に多いのは海岸線(これも資産)ばかりで資源らしいものは、ほとんど無い国である。

日本の歴史は明治時代以後は学校で学んでいない人が多いけれど、少なくとも原始時代から始まって奈良時代・平安時代・鎌倉幕府はそして戦国時代の話は映画やテレビでも放映されるので皆知っていると思う。

私は今、世界は丁度日本史の中で云えば戦国時代だと思っている。
馬や槍の時代とは違いインターネット時代の戦国時代だと思う。
私も世界地図は詳しく頭の中にインプットされていないので、何かが起きると世界地図を拡げてみないと場所の把握が出来ない事が多いのが事実である。

でも、今はアメリカ大陸よりもヨーロッパよりもアジアが主役になっている。
良きにつけ悪しきにつけ。
日本はアジアの雄だと自負していたけれど、どうも様子が変化してきた。
理由は色々あると思う。
書けない事もあるけれど日本は敗戦後、必死に再建に取り組んだ。
私は未だ半分、子供だったけど覚えている。
日本人の心がまえが今とは違っていた。

私は早くして結婚したので5才上の夫と云っても実際には10才位年の差があるような先生と生徒の夫婦だった。

「何と云ってもアメリカだ。アメリカへ行こう」と二人で考えていた。
しかし、お互いの親兄弟の猛反対に屈してしまい、実現出来なかった。
行った方が良かったかどうかは分からないが私達夫婦にもいささか弱い所があったのだなと何十年も経った今つくづく思う。
70才後半の現状では私は外国へ出るのはもう無理だと思う。
しかし、先日テレビ放送だったか本で読んだか定かではないが、現代の若者は外国へ出たがらないという事を知った。

勿論、就職の事だけ考えれば、どっちへ向いて行っても人手不足の地域は先ず見当たらない。
就職の問題ではなく自己革新の為に苦労は覚悟で外国で生きてみるのも有意義だと私は思う。
しかもそれにも年令というものがある。20代、30代がベストではなかろうか。
20代、30代というのは人間にとって非常に大事な時期だと思う。
この時期に読んだ本は一生忘れない。
この時期に聞いた音楽も一生懐かしく残っている。
この時期に観た映画は部屋の中の様子まで覚えている。

そして40代は活躍の年。
遊びも学びも絶頂期だと思う。
成功している人達の人生の軌跡を見ると大体こういう年代になっている事を知った。
その世代にしか出来ない事がいっぱいある。
逃さずキャッチしてほしい。
羨ましい若者達にエールを送りたい。
日本地図でなく世界地図を拡げて人生プランを考えて下さい。
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☆お勧め書籍


「世界大地図
ATLAS OF THE WORLD 」

◎A3判上製/272頁
天地クロス貼美麗ケース入
定価: 18,900円(税込)
中身はこんな感じです

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「怪しいアジアの怪しいニュース」
ワニ文庫
クーロン黒沢/〔著〕
梅本善郎/〔著〕
リン外川/〔著〕

出版社名 ベストセラーズ
税込価格 720円
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「怪しいアジアの暮らし方 
混沌の暗黒地帯へ潜入した!」
ワニ文庫
クーロン黒沢/〔著〕
税込価格 520円
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「怪しいアジアの暗黒食生活」
ワニ文庫
クーロン黒沢/共著 明日香翔/共著
出版社名 ベストセラーズ
税込価格 630円
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「裏アジア紀行」
幻冬舎アウトロー文庫
クーロン黒沢/〔著〕
出版社名 幻冬舎
税込価格 600円
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「5万4千円でアジア大横断」
下川裕治/著

出版社名 新潮社
税込価格 500円
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「世界ぐるっとほろ酔い紀行」
新潮文庫 に-19-2
西川治/著
出版社名 新潮社
税込価格 620円
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2010年11月13日土曜日

先ず正しい日本語を書いて読めることを身につけよう

地球は少しづつ狭くなってきた。
インターネットの発達によって地球の裏側で起きた事件も何分もしないうちにインターネットを通して伝わってくる。
進化したというのか、便利になったと云うべきか毎日毎日ニュースは消化し切れない程、私達の身の回りに届くようになった。
少し前には、珍しがられていた事が今は普通になった。

その流れの先に電子本というものが出現した。
小さな薄い手帖のような形の中にいくらでも本が入れられる。
もう本棚は必要ない。
押し入れの床が本の重みで落ちるような事もなくなるだろう。
そして、どこへでも持ってゆける。
どこででも読書する事が出来る。

本当に素晴らしい事だと思いつつ私はアゼンとする。

話は一寸変わって私は海の向こうで遠く離れて、海又海の中で働いている私の店の船舶乗り組み員の読者に手紙を書いて本の荷物の中に同封している。
毎日、2~3通位はあろうか。
毎月の船もあれば、2ヵ月・3ヵ月と経っている船もある。
この前に何を書いたかとコピーを出して読んでみて、それから以後の話題を書きたいのでコピーは毎日毎日たまりたまってゆく。
それでも、日本の国内の細かなニュースはほとんど知らないので私のような者の書く手紙でも本船の皆様はとても楽しみにしてくれて、待っていてくれているようだ。

話は変わって特に急を要さない事は私は出来るだけ電話とかネットは使わず手紙に書く事にしている。
電話は声が聞けて嬉しいけれど相手の状況が分からないので忙しい時に電話が行っては相手の都合もあるだろうし、口頭で話すのはすぐに消えてしまうけど、手紙に書けば相手の都合のよい時に何度でも読んでもらえる。
それだけ私の意とする事がよりよく理解していただけると思うから。

便箋も封筒も売っているけど売れない。
私が消費するために仕入れているみたいなものになっている。

「メールがあるのに手紙なんか必要ない」と若い子に云われた。
そうね、用件はメールで充分届きます。
しかし人間関係の中には用件だけではなく季節の移り変わりの様子や世の中の様々な姿も書いてみると受けた方もほっとするはず。
合理性は必要だけど何もかもが世の中すべて合理性だけで事がすんでしまうと味気ない。

私も決して達筆ではないけれど、6年間書道の先生(私の叔母)について筆の習字を習ったり花道・茶道も教えてもらった。
又、小学校5年生6年生の時に受け持ちになった女の先生が国語が得意だったので、教科書以外に名作をよく授業中に読んだり読まされたりした。作文も沢山書かされた(これは宿題)
私は70代のこの年齢になって叔母の事、国語好きの教師の恩をひしひしと感じている。
もう二人共この世の人ではない。

私は電子本の素晴らしさはよく判るが少なくとも小学校の間は鉛筆でペンで筆で字を書いて覚えさせてほしいと痛切に思っている。

先ず日本語の基礎をしっかり身につけよう。
この素晴らしき日本語を日本人ならば全員まともに読み書き出来るようにする事が肝要です。
電子本はいつからでも入れます。急ぐ事はありません。
どうか文化省も再びゆとり教育なんて考えないで下さい。
ゆとりなんか日本にありません。

古い言葉と云われるのを覚悟で申し上げます。一生懸命学び、一生懸命、世の為に生きましょう。と強く強く云いたい。
政治家もよく学んで国家国民の為に自信を持って身を投げうって下さい。
年間4000万円のためでなく国民の為に一身を捨てる覚悟で政治をやって下さい。
お願いします。
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◆今週のお勧め◆
「昭和史残日録 戦後篇」
半藤一利/著

出版社名 筑摩書房
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「辺境を歩いた人々」
宮本常一/著

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「見通す力」
池上彰/著

出版社名 日本放送出版協会
税込価格 777円
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「新明解故事ことわざ辞典」
三省堂編修所/編

出版社名 三省堂
税込価格 3,150円
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11月25日(木)発売
日本語
語感の辞典
岩波書店
税込価格3150円

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2010年11月6日土曜日

小さなお店も大切よ

店は大きくした方が経営上は得策である。
生産性があがる。
人件費も比較すれば、少なくて済む。
だから力のある、小売店はどんどん大きくなってきた。
例えば書店の店舗数はうんと減っているが、売場面積は広くなっている。眺めとしてはすごく立派で本好きの人にはたまらない風景だと思う。
でも私は本屋なので、ここから一冊抜かれたらどこかで機械が観ているのだろうか、とふと思う。
誰も人間は居ないのだから。

私は九月十月と二ヶ月間夏バテというのか体調を崩してしまい、ずーっと一日置きに病院通いの身であった。待合室ではみんな知らない人同志でも親しげに話していた。
私はあまり喋る元気が無くて本を持って行って出来るだけ隅っこの方で一人で本を読むことにしていたが、でも色々な話が聞こえてくる。
曰く「買い物が大変なの。特に広い店を歩あちこちあるかされるのがつらいの。何がどこにあるか、聞く人もあまり居ないのよね」
「あ、Aマートなら届けてくれるから私はAマート専門なの」
「若い時は楽しかったのに今は買い物が苦痛だわ」
それから話は今の若い物は云々・・・と弾んでゆく。

みんな若い時があったのだけど、それはもう忘れているようだ。
見渡せば20人位いる患者さんは全部年寄りばかり。
小児科という科はあるけれど、老人科というのはないらしいが、まさしく老人科そのものだと思った。自分も含めて。

私はもう、戻す事は不可能だと思うけど、昔の大家族主義も悪い所ばかりではなかったと思う。
こうなったら、棒杖ついてでも歩いて一軒一軒入って行って話をしながら、買い物が出来るような街が出来ると流行ると思う。

本屋だから、又本の話になるが、お客さんの言葉
「週刊誌が買いたくてね今まで近くに小さな本屋さんがあったんだけど、閉店してしまってね、代わりに大きなショッピングセンターが出来たけど、週刊誌一冊買うのにエレベーターで5階まで行かなきゃならないから面倒でね。自転車なら3分でこの店に着くからね」
という話し声が聞こえてきた。

昔は大物・大金の買い物は少々遠くてもデパートのある街へ行ったけど日常生活の買い物は近くの小店ですませたものだ。
しかし、その小店が一軒一軒減って行ってとても不便になった。

時代はぐるぐる回っている。
便利な方へ客はなびく。
やがて又、小店の並ぶ街が近くに出来来てくれると嬉しいなぁ・・・。

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☆今週のお勧め本 ぜひ読んでほしい新刊書☆













「最長片道切符の旅」取材ノート
新潮文庫
宮脇俊三/著
出版社名 新潮社
税込価格 620円
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家族の昭和
新潮文庫
関川夏央/著

出版社名 新潮社
税込価格 500円
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老いの才覚
ベスト新書 
曽野綾子/著

出版社名 ベストセラーズ
税込価格 800円
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テレビの大罪
新潮新書 
和田秀樹/著

出版社名 新潮社
税込価格 735円
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