2013年8月24日土曜日

庶民の大半は苦しんでいる

昨年あたりから、ボツボツ昭和時代の歴史についての
本が出始めた。
大きな老舗雑誌の記事にも掲載され始めた。

私は父を第二次世界大戦で
戦病死という事になっている死なせ方をさせられたので
父の仇を打ちたくて一生懸命本を探した。
明治維新までは立派な文章で書かれているが
その後は書ける人はいなかったのか
書いても売れないと思ったのかほとんどなかった。
ボツボツ出始めてはいるが、直接体験した人は
もういない。
みんな遺族を訪ねたり、その時の様子から
察して書いている。
それでも私は見つかり次第読んだ。

①『昭和史の大河を往く 第1集
  「靖国」という悩み』
 保坂正康 著
 毎日新聞社



















 ②『昭和の大河を往く 第2集
  開戦、東条英機が泣いた』
  保坂正康 著
  毎日新聞社



















③『戦艦大和 最後の証言』
  久山忍 著
 産経新聞出版



















私はこれからも次々読んでゆくつもりだ。
色々複雑な絡まりが沢山あった事はあったらしい。
昭和20年代は、一にも二にも国を立て直す事に
日本人は夢中になった。
だから、みんな必死で働いた。
おかげで食べられるようになり、住む所も出来、
着るものもどんどん新しいものが作られる。
そんな中で高度成長時代を謳歌した。

その初頭の頃、私は社会へ出た。
結婚相手は商人がよいとあまり時代を読めない母。
いやこれからはもうサラリーマン時代だよという
おじの言葉。
そんな時、出会った亡き夫。
タイプとしては好ましかった。
そして、話す事か実に整然としていて
こういう人と生きてゆけば幸だろうなと思った。
しかし、結婚してみると性格的に自分本位、自分中心。
妻は命令に全て従わさせられ、
私は何度離婚を考えた事か。
その夫は61才(その10年位前から体調が悪く
非常に自分勝手な生活をした)で
食道癌で亡くなった。

小さな店を続けるか止めるか考えた。
思えばこれからは私の自由の時代になったんだと思うと
どうせ私も59才。
今から出直す方法もない。
商売は嫌いではない、よし、やってみよう。
と以後は私の考えで事を進めた。
その時、ハタと気付いた。
夫は厳しい人だったけど、
新しい事を生みだす、考え出す事には秀でていたので
小さい店でもひとつひとつ新しいアイデアで事を進めて来た。
私は、唯云われる通り働いてきただけだったと気付いた。
夫の書いてあったメモを集めて読んだり、
本を読む時間も出来た。

そして、もう高度経済成長は終わった。
零細企業の苦しい時期に入った。
政治をする方々はこの苦しみは分からないと思う。
デフレをインフレにする。
私の頭ではよく分からない。
インフレに苦しめられた時の事が忘れられない。
人口が減るから女性も働き手として参加すべし。
それも分かるけど、女性が出て来過ぎると
これ又マイナス面が必ず出てくる。
女性の上司に仕える男性の気持ちはどうだろう。
私は総体的に能力は女性より男性の方が
優れていると思っている。すべての面で。

又、女性は子育てという仕事は絶対欠かせない。
男性がやっても悪くないが、
感性の問題があるので母親が一番。
5・6才までは母の肌に支えられて育てた方が
人間的にベターだと私は思っている。

そうして考えてゆくと昔の日本の大家族主義は
反面非常に合理的だったと思う。
もうそこへ戻れないだろうけど、
姑、姑の教えというのも悪い所ばかりではない。

とにかく政治も大変だろうけど国民一人一人、
恵まれない人がどんどん増えている事も事実。
どうすればこの現実を政治家に分かってもらえるだろうか。





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2013年8月16日金曜日

兄弟の縁

私には妹2人、弟2人、5人の妹弟がいる。
女、女、女、男、男と両親は10年余の間に5人の子供を作った。
父と母は結婚生活そのものが10年余しかなかったけど子供はたくさん産んでくれた。
一番下の弟が2月に生まれ、父が召集されて家を出たのが11月。
9ヶ月しか父と一緒に生きていない。
そして、常に母の背中に背負われて母の頭の後からチョコット顔を出していた。
これが父との最後の別れという広島の駅でもキョトキョトしているばかりだった。
その上の弟も別れたのが3歳足らずだったからよく覚えていないと思う。

下の妹(75歳)は温泉旅館を山鹿で経営している。
一番きれいで小柄で着物の良く似合う。
そして、風邪ひとつ引かない妹だった。
私は甥の結婚式で大阪まで行き、大阪から実家まで淡路島をバスで通り、さぬき市津田へ入った。

その日は遅かったので、弟の手配していた津田の松原の中にあるホテルとまではいかないが、海の見える新しい旅館で下の妹2人で寝た。
姉妹2人で並んで寝るなんて何十年ぶりだろう。
翌日は実家で101歳の母、上の弟やその妻や娘達と会って懐かしい魚類の御馳走でとても楽しかった。

私は結婚して55年以上も経ったけど、実家で2日以上泊る事がない。
一晩泊って、翌日帰る。
その繰り返しを10回少々。
なぜか、私の夫は私を実家へ行かすのを嫌った。
私を大事に大事に育ててくれた祖父・祖母が亡くなった時も、
「行く必要がない」という一言で私も逆らえず、心の中で泣く泣く行かなかった。
そんな時いちばんやさしい妹と並んで寝るなんて相当感激物だった。
朝目が覚めた時、何時だかわからないけど(もうすみ代、起きようよ)
と云って、起きたのだった。

私は帰ってきてから1ヶ月間位(もうすみ代、起きようよ)と云っている。
ずーっとすみ代が隣に寝ている気分が続いた。
その妹が脳腫瘍が見つかり、今は2ミリぐらいだけど、
今後、これが5ミリ以上になると爆発して大変な事になる。
すぐに香川県立中央病院へ行って診察してもらえと、下の弟の妻の兄が整形外科医なので
レントゲンをとり、すぐに中央病院へ連絡をとってくれたらしい。
診断の結果、手術するしかないという結論になり、体の丈夫な事が自慢だった妹も決心したらしい。
私は行ってやれないけど、娘2人息子も交替に来ているらしいので一安心。
手術もうまくいってほっとした。
だが、あまり病院食が食べられず食欲が出ないと云ったら上の弟が
「すみ代姉ちゃん、何が食べたいんだ」と問うと
「子供の時食べた津田の魚の焼いたのがほしい」と云う。
弟は一番年齢の近い相手なのですぐに準備した。
サンマを焼いて大根と大根おろし金を一緒に持参してすみ代の前で大根おろしをかけて出してやった。
喜んで食べてくれたらしい。

この話を聞いた時、私は何十年前の一コマの風景を思い出した。
私が女学校に出かけようとした時、
「基延ちゃん、早く行こうよ。遅れるよ」と急かしている。
基延は「こんなおとなの長靴なんか恥ずかしくて履いて行かれないよ」
そう云いつつ、すみ代がなだめすかして一緒に登校したと思う。
物不足時代の事、何もかも配給だった頃、大人の長靴を履いていったかどうか分からないが、すみ代はいつも上の弟に一番年齢が近いので面倒をよくみてやっていたと思う。

“すみ代ちゃん、絶対良くなる、治ると心から信じて充分な養生をしてね”

80歳になっても忘れ得ない様々な思い出。
でも、みんな年をとってしまったけど。


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2013年8月10日土曜日

80年生きてみて

8月という月は、広島の原爆の日、長崎の原爆の日
そして、8月15日は、敗戦の日。
そして、私の父が野垂れ死に(フィリピンルソン島)
したのは昭和20年6月23日。

私にとって夏は悲しい月。
毎年15日には、お寺か神社の大きなひさしの下で
生きてきた様々の事を神に感謝しながら
思い出す事にしている。

私はまだ小学生だった。
そして今年は80才。
私の世代が戦争の悲惨さを知っている
最後の世代。
やがてその数はどんどん減り、
戦争というものを全く知らない日本人ばかりに
なるでしょう。

戦争は嫌。
戦争だけはやめて欲しいと悲痛の叫びを
出すのも私達の世代で終り。
いくら書かれたものを読んでも
実体験にはかなわない。
その時行き合わせたのが
不幸だったという事になる。

しかし、戦後20年から30年間位は
日本人は恐怖の体験を知っているので
必死にがんばった。
そして、高度成長時代を過ごした。

あれも時の流れ・・・であるのにも拘らず
それが普通になってしまって
日本人ははっきり分かり易く表現すれば
ダラダラした人間になってしまった。
一等国にならなくてもよい。
そこに住む国民が人間として立派で
且つ、幸であればそれこそが
世界一の国家である。

話は変わるが、今回の国会の参院選の結果
「ねじれがなくなってよかった」
と何度も聞いたり読んだりした。
ねじれがそんなに不都合なら
それこそ憲法改正をして一院制に
すれば良いではないか。

私がうんと小さい時には、女性は勿論、選挙権なし。
ある一定以上の納税者のみの選挙であった事を
うっすら覚えている。
祖父が私服から正装して出かけていた事を
おぼろげながら私の頭の中に残っている。
そして、その時の参院選は
何か立派な事をしたとか、国家の為に貢献した
人達の中から選ぶと私は教えられていた。
今は、参議院も衆議員も
一般の人の教養レベル以下の人も
混ざっているような気がする。

それはともかくとして、
一院制にすればねじれは起こりようがないし、
参議院の人件費、他、金が出てくるではありませんか。
消費税云々と云って、総理が苦悩する事も必要なし。
政治に素人の80年生きた一老人の考えです。

更に、消費税を上げると簡単に云わないで下さい。
例え1%上がっても景気は落ちると思います。
庶民はみんなギリギリの生活です。
かといって物品によって税率が異なるのは
もめ事の素です。
それより何百万もする車とか宝石とか買える人達に
物品税を払ってもらえば一番いいと思います。
お金のある所にはあるんです。
と同時にカラッケツの人達も大勢います。

子供の名前で親から金をとる話にしても
私はよくあんな大金、銀行から出せる人も多いのかな
やっぱり、金持ちはいっぱいいるんだな。
私だったら10万円と云われてもすぐに出せません。

物品税こそ真の意味の公平だと思います。
そうなると、又、車の会社とか色々な所から
政府の要人へ働きかけ、変な事が起きるかも
分かりませんが、そういう事は総理が
きちんとしっかりしていれば大丈夫です。

私はささやかな本屋です。
本は売れなくなってきました。
売れないような仕組みが沢山出て来てしまったし
つらい、苦しい。
でも、私はやっぱりこのささやかな店を
持ち続けたい。子供達に読書の喜びを
体得して欲しいから。
紙芝居はそのスタートです。






★★ 『イセザキ書房TV④ 前半・後半』 ★★
夏休みスペシャル!
佐藤が戦争体験について語っております。
大変貴重な話ですのでぜひご覧ください。
よろしくお願い致します。









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2013年8月3日土曜日

景気は少しも良くなっていないと私は感じる

毎日毎日、日経新聞の一面トップに
トヨタの利益2兆円とか
とにかく大変な利益を出しているという
文字が並んでいます。
トヨタに限らず大手会社は
今年はみんな大きな利益を出しているようです。

大手企業がダメになった時は
国は何かの手を打つ。
しかし、日本人は大手企業に
携わっている人間ばかりではありません。
数から云えば、中小零細企業に関わっている
人間の方がずっと多いはず。
そして従来は、その零細企業が大部分の人達。
食材、その他細々したものを四方山話と
しながらお得意さんとして付き合って来た。
その些細な儲けの中で生計を立てて来た。

ところが大手が大手と手を組み
日本全体に支店を作り、大きな売上を
上げるようになってきた。
小さな店は、ひとつひとつ消えてゆく。
消費者としては、慣れというものがあるので
これから大人になっていく人達は大店で買う。
もっと進めばネットで買うという事が
当たり前になってくるだろう。

それも悪くない。
それなりの利便性もあるだろう。
私は60年近く小さな本屋を続けてみて
小売店とはどうあるべきか、
消費者は小売店とどう付き合った方が得か
と云うような事を体が覚えた。

それは人間と人間の付き合い方にも
通じる事だけど、
出来るだけ売る側も買う側も人間同士。
ならば親しく付き合った方が
お互いに気分が良い。
しかし、物は大量に並んでいるが
レジへ運んでお金を払うというだけでは
人と人の心の交流は起きるべくもない。

昨日もテレビで、東京の大きなデパートが
合併した所の話でその売り方、
一個でも一枚でも多く売る為のテクニックを
詳しく披露していたが、
お客さまはどこから来られた人だか
分からないけど、
店員の勧めるままにのせられて
ブラウス2枚、スカート2枚、その上に羽織る
レースのコート1枚、
更に靴売り場へ案内させられ 、
そこで1足、靴下もついでにと
店員さんが両手で抱えきれない程の
買い物をして、
それを少し離れた所で上司がワッチしていた。
「この売り手は非常に優秀なんですよ。」
と云って画面から消えた。

年令もさして若くない50才は過ぎていると
思う客だったが、本当にあの買い物
全部必要だったのか?
あるいはたまに出て来たデパートで
浮かれて買ってしまったのか。
全額は出なかったが5万円前後かなと察した。

小さな店ではここまで客を誘導するのは無理。
総理殿、景気の良いのは大手企業だけですよ。
その下に中小はともかく、
零細企業がいっぱいあります。
景気はまだまだ来ていません。
消費税上げたらそれだけで購買力は
ぐんと落ちると思います。
デフレも悪いけど、インフレも怖いです。

働けるのに働かずブラブラしている若者は
考え直していただきたいです。
総理も上っ面だけでなく、細かく国民の様子、
姿を知って下さい。
お願いします。


















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